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家族が毎日使い、住まいの顔としてお客様を迎えるスペースでもある玄関。
長くすごす空間ではないため、キッチンやリビングなどに比べると検討する比重は軽くなりがちですが、少し工夫するだけで暮らしを快適にし、空間や気持ちにも余裕を生み出せる場所です。今回は、家族に合った玄関プランニングのヒントをご紹介します。
玄関のプランニングは、位置を決めることから始まります。
一般的に良いとされる「南玄関」は、太陽の光が入りやすく明るい空間づくりができることがメリット。では、その真逆となる「北玄関」は避けるべきなのでしょうか。答えは「ノー」です。確かに光が入りにくいため、暗い、湿気がこもるといったマイナスイメージを抱きがち。しかし、北側に玄関を配置すれば、光が差し込む南側の敷地を最大限に使ってリビングをつくれるなど見逃せないメリットもあります。
方角だけにとらわれず、敷地の形や隣家との関係、日当り、風通しなどを考慮して、新居の環境を生かした玄関位置を探しましょう。
住まいの中で、住む人の雰囲気や価値観を物語る玄関。家族みんなが満足できる空間にするために、それぞれの理想を出し合ってみるのもおすすめです。めざすイメージごとに実現のポイントをまとめてみました。
明るさや爽やかさを確保するためには、窓から光と風を取り入れることがポイントです。窓が設置しにくい場合や北側に配置した玄関の場合は、採光・通風機能がついた玄関ドアを選ぶと良いでしょう。また、天窓や吹き抜けを設置すれば、高い所からよりたくさんの光を取り込めるうえ、視界の抜けができ空間的な広がりも演出できます。
玄関はキッチンに次いで片付かない場所に挙げられるほど、多くのもので溢れてしまう場所です。家族分の靴、自転車、傘、ゴルフバック、アウトドア用品、ペットの散歩グッズ、防災用品など、改めて考えてみるとその種類と数の多さに驚きます。これだけのものをすっきりと収めるために必要となるのが玄関収納です。
主な種類とそれぞれの特徴は、
どれを選ぶにしても、家族が増える場合や子どもの成長なども考えて、収納するものを十分に検討しましょう。
また、広々とした玄関をつくる場合に覚えておきたいのが、視覚的な演出です。人は、奥行きより縦や横に幅がある方が同じ面積でも広く感じるので、間口を広く取るほか吹き抜けを設けるのも効果的です。
家の中にありながら、あたかも屋外のような感覚で使えることから、日本家屋の特徴であった土間が最近見直されています。
シューズクロークを土間にすれば、自転車やベビーカー、家庭菜園やガーデニングの道具、雨に濡れた傘やレインコートといった室内に持ち込みたくない汚れものも気兼ねなく収納できます。気になる汚れ対策として、床部分をタイル敷きにし、水道の蛇口と排水設備を設けておけば、常に清潔に保つことができます。また湿気が気になる場合は、珪藻土など調湿効果の高い素材を使用し、土間部分にも風の通り道を確保しておくと良いでしょう。
玄関は家の外と中をつなぐ場所であることから、家族の生活スタイルによって快適な間取りも違ってきます。例えば、趣味や部活動など屋外ですごすことが多い家族なら、玄関近くに風呂や洗面所といった水廻りを集め、家の中に汚れを持ち込まないようにするのも良案。
まずは、現在不便に感じていることやどんな風に暮らしたいかを家族で話し合ってみるといいかもしれません。
玄関ドアにはさまざまな種類があります。ここでは意外と見落としがちな玄関ドアの開き方と玄関の使い勝手について考えてみましょう。
玄関ドア選びにも、家族の生活と玄関に何を収納するのかが重要なポイント。子どもが増える、親世代との同居予定があるといった将来設計も含めて検討するのがよさそうです。
プランニングのポイントにプラスすることで、もっと快適な玄関づくりができるヒントをいくつかご紹介しましょう。
使い勝手が暮らしの快適度にも大きく関係する玄関。長く心地よく使える空間にするためには、家族の生活スタイルや趣向、将来設計に合ったプランニングをすることが重要です。
毎日使う場所だからこそ、家族みんなにとって便利で満足できる空間にしましょう。