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COLUMN

地震後は住まいの点検を

近年、大きな災害が頻発し、防災への意識が高まっています。住まいという視点から防災を考えたとき、まず頭をよぎるのが地震への対策ではないでしょうか。大きな被害がなかったとしても、地震の揺れにより住まいに想定外の現象が起こることもあります。家族の命を守るために、地震後の住まいチェックや日頃からのメンテナンスを行いましょう。

次の万が一に備え住まいのセルフ点検を

地震は、例外なくどの地域でも起こる可能性がある災害です。大きな揺れに襲われたとき、住まいは命を守るシェルターになる一方で、倒壊などで命を奪うものになることもあります。たとえ小さな地震でも、揺れの後は住まいの安全性を確認しておきましょう。

地震が起きた後の点検ポイント

  • ① 家と地面の間にすき間やぬかるみがないか
    建物と地面の間にできるすき間や陥没には、地盤沈下の疑いがあります。また、地面がぬかるんでいる場合は土中の配水管が水漏れを起こしているかもしれません。早急にハウスメーカーに連絡しましょう。
  • ② 外壁や家の土台(基礎)にひび割れがないか
    ヘアクラックと呼ばれる幅1㎜ほどのひび割れは塗装部分だけのものなので心配はいりません。しかし、幅2㎜以上のひび割れが起きている場合や小さなひび割れが急に増えたといった場合は躯体に影響を与える可能性があるため、ハウスメーカーに相談しましょう。
  • ③ 瓦の落下など屋根に異変がないか
    家の周りに瓦や釘などが落ちていないか、いつもと様子が違うところがないかを確認します。少し離れた場所から屋根を目視してみるのもよい方法です。地震でダメージを受けた屋根には目視ではわからない危険が隠れていることもあります。絶対に自分で上らず、プロに相談してください。
  • ④ 室内のクロスに異変がないか
    部分的に大きな力が働き、クロスがひび割れる、浮く、横ラインが入るといった被害が起きます。いずれも建物自体に大きな影響はありませんが、見た目は気になるところ。土台となっているパネルを調整しクロスを張替えれば修復できますので、ハウスメーカーに相談しましょう。

揺れは規模だけでなく頻度にも注意

2016年の熊本地震では、震度7の本震以外にも震度5以上の大きな地震が20回以上発生。2024年に起きた能登半島地震の余震は1500回を超えて今なお発生しており、揺れが長く続く地震が相次いでいます。

繰り返す揺れ。住まいへの影響は?

建築基準法に定められている耐震構造は、柱や梁を金物や合板で固定して家自体を強くし地震の揺れに耐えるものです。しかし、地震の揺れは一度ではなく、縦揺れ、横揺れなど種類もさまざま。大きな地震を乗り越えても、その後細かい揺れが何度も続けば建物は少しずつ損傷し、やがて深刻なダメージにつながることも考えられます。地震だけでなく台風や暴風雨の後も、住まいの異変を見逃さないようにしましょう。

メンテナンスで耐震性を維持

家の劣化を見逃さないことが地震への一番の備え。ハウスメーカーによる定期メンテナンスのほかに、日頃から外壁や屋根、室内の壁や床などの状態を確認しておくといいでしょう。画像に残しておけば、後で見返すこともできるのでおすすめです。気になる箇所が出てきたらハウスメーカーに相談しましょう。適切なタイミングでの修繕は費用も抑えられ、住まいの資産価値も守ります。

進化している地震への意識と対策

災害時、住まいは命だけでなく財産やその後の暮らしを守るものでなくてはなりません。住まいの耐震性への意識も「倒壊しない」から「複数回の地震に耐えられる」に変わってきており、その対策方法にもさまざまな手法が採り入れられています。これから家づくりを考えるなら、注目は揺れに耐える「耐震」に揺れを吸収する「制震」をプラスする「耐震+制震」構造。耐震だけでは補いきれない繰り返しの揺れによるダメージを制震でカバーする相乗効果が期待できるもので、いくつもの大地震を教訓に進化してきた日本でニーズが高まっている耐震対策のひとつです。

まとめ

日本はとても地震の多い国です。災害は回避できませんが、備えることはできます。住まいの地震対策には、日ごろの点検やメンテナンスがとても有効です。誰か一人ではなくみんなで行うことで、防災意識も高まるはずです。次の休日は、家族で住まいチェックをしてみませんか。

アイワホームの地震対策については「住宅性能」のページもご覧ください。

住宅性能「#01 連続地震に強い家づくり」